2011年8月26日金曜日

ざわわ、ざわわ

ブログから遠のいて、久しく。

8月の頭には隊員総会(ケニアのボランティアが一同介して、行う催し)
その後、ケニアで有名なケニア山(4泊5日で)登山。
8月もイベント(主に自分の旅行がメイン)目白押し。

そんなケニアの8月はいわゆる夏休みに入り、学校の生徒や学校に配属されているボランティアはみんな夏休みを満喫する。

とは言うものの、ゲタスル更生学校に休みなどあるわけもなく、いつもと変わらない日常でここにはある。
ということで休みをもらうも休み明けはしっかりと授業がある。

ここゲタスルに休みはないというものの、ジョロゲ(授業担当教諭)は研修のため、8月、丸々いない。
なので今は日本人の俺一人だけで授業を回す。

これはチャンスだとばかりに好きなことをする俺。

といっても遊んでるわけではない。

これまでやろうやろうと思っててできへんかったことをやる。

・タコあげ(一部にオオウケ、一部はタコをずるずるひこずっただけ。笑)
・『それが大事』by大事MANブラザース を歌わす。(自分で歌わしてる癖に、自分で感動する。)
・低学年向けの読み書きの授業

そんなこんなで充実した日々であった。

それで、今日は久しぶりに体育でもやろうかと子供らをグランドにつれて行った。
一応、体育なので授業っちゅう感じで行ったが、子供らは全然そんな気一切なし。笑

「俺道具取りに行くから、ほんなら先、グランド行って待っとけよー」って子供らに言う。

ほんでグランドに行って見ると、ほぼ全員の子供らが落ちてるMiwa(サトウキビ)を食ってる。
正確に言うとサトウキビみたいな形をしたMahindi(とうもろこしの茎)を食ってる。
なので甘くはない。

まぁ腹減ってるからしゃあないかとぼちぼち子供らを集合させる。
そんでから名簿を読み上げ、点呼をとる。

「ラジャブ!」
「ムワンギ!」
「ケネディー!」
「むしゃむしゃ・・・」
「オチエン!」
「モハメッド!」
「むしゃむしゃ・・・」
「カランジャ!」
「むしゃむしゃ・・むしゃ・・・」


うおぉぉーい!!おまえら食いすぎや!!
授業やから食うんやめろ!!
授業が終わったら食え!

ってな感じのやり取り。

そして点呼後。

いつも通り、「じゃあグランド2周やぞー!」と声かけるも、みんなだるそうに地べたに寝そべって、ひたすら食べる。

「コラコラ、ええ加減にせんかい。
授業終わったら食べれるんやから今はほっとかんかい。」

と刻一刻と授業の終わりの時間に近付く。
そんなのおかまいなく、食べることに夢中な生徒らはぼちぼち走り始める。

「おっしゃ、それでええんやがな、歩くなよー、頑張って走れよー!」

そんなやり取りもつかの間、走るふりをして、その勢いでまた新しいサトウキビを取りに行く生徒。

しかもほぼ全員。

それを見た俺はもう我慢の限界。

「おっしゃ、わかった!!おまえらそんなに食いたいんやったら、腹いっぱい食うとけ!!もう今日の体育はなしじゃ!」

とぶち切れる。

そのぶち切れた勢いで、家にたばこ吸いに帰ろうとする、俺。

そして、そこで何人かの生徒が俺のとこに走って寄ってくる。

子供「先生!もどってきて!あいつらにちゃんと体育するように言うから!」

俺「知るか!もう今日はやらん!腹いっぱいくとけや!好きにせえ!!」
(内心、生徒が駆け寄ってきてくれて、ちょっと嬉しい。)

子供「先生!頼む!ほら!あいつらちゃんと走ってるやん!」

俺「もう遅い!俺がせえ言うた時にせんかったやろ!今日はもう知らん!」

俺はそのまま、家に戻り、一服。

あ〜俺、大人げないな〜、そら腹減ってて、目の前に食い物あったら食べるよな〜と思いつつ、高校の野球部の監督を思い出す。
そう言えばこんなんやったな。
監督にぶち切れられて、グランドから去ろうとする監督を引きとめる。


そんなことを思い出した後、一応、グランドに子供らだけをおいて帰るのはまずいなと思い、グランドに戻る。
すると、子供らが食いながらやけどもちゃんと走ってる。
「おっ」となる俺。

ただ残念なことに時間が迫り、結局、体育はせんまま、今日は終わった。

世間は夏休みといえど、ここゲタスルに平和が訪れることはあるのだろうか。笑

しかしこの授業後の教室掃除がいつもよりやけに手際よく行われていたのは言うまでもない。

2011年8月5日金曜日

チョコラー

っていうのはスワヒリ語で「ストリートチルドレン」のことを意味するらしい。
あまり良い意味では使われてません。
正確に言うと、チョコラー自体は「拾う」という意味なのだが。

日本人の監督がケニアの有名な都市の一つであるティカのスラムで撮影した映画「チョコラ」もこれから来ています。
確か。http://www.chokora.jp/

ちなみにこの映画に出ている子供が自分が活動している学校にいたことも。
直接の面識はありませんが。

ということでこの「チョコラー」。

うちの学校にはこのストリート上がりの子供がいっぱいいます。
なんせそういった子供らを保護している政府の施設なので。

彼らがストリートにでることになった背景は様々。
親を亡くして、身よりがない者。
親とケンカして、家出した者。
学校が嫌で逃げ出した者。
本間色々。

日本では考えられへん。
でもこう見ると本間国がちゃんと子供をケアしてるなって感心する。

彼らのストリート生活は本間に凄まじい。
10代の子供らがストリートでいわばサバイバルをしているわけや。

で、そのストリート上がりの彼らが見せる行動が顕著に見えた一日やった。

昼食後の点呼の時。
子供らが点呼のためにボチボチ集まっている時。

そこに2人の生徒が点呼で集まる他の生徒らの前を通り、熟れすぎて腐ったアボガド約10個を捨てるために焼却場へと運んでいた。
(前にも書いたがこのアボガドは結構問題になっている。)

その瞬間、それを見た、約50名の子供らがそのアボガド目がけて、猛ダッシュ。

とっさに「それは腐っているから食うな!」って言いに行ったものの、目がアボガド一色になって、猛ダッシュする約50人の子供を止めれるわけもなく、彼らは我が我がとアボガドを奪い合う。

アボガドがぐちゃぐちゃになって、手がべちゃべちゃになってる。
ほぼ液体になって地面に落ちているアボガドを舐めるようにして食べる子供らも。

本間、一瞬の出来事やったけども、正直ちょっとビビった。

これが初めての出来事ではなく、むしろ日常の出来事ではある。

この時、同僚の先生らはめちゃめちゃ怒ってた。
「おまえらここに来てもまだそんなことするんか!ここはストリートじゃないぞ!」って感じで。

ただ俺は真っ向と彼らを怒ることができんかった。
日本的にいえば彼らの行動は「やらしい」が適切だろうか。
(これは関西だけの表現か?)

ただケニアにはそんな環境で育ってきたこいつらみたいなやつがおる。
そうせざるをえないやつらがほとんどやったやろう。
体に染みついてるんやろうやと思う。
あのアボガドに向けて走る勢いを見ると。

う〜ん。難しいな。